荷主とドライバーは何を見ている?運送会社のホームページに載せる内容を解説

運送会社・物流会社のホームページに載せる内容を、荷主、ドライバーの求職者、協力会社に分けて整理しました。運べる荷物や車両の書き方、許可と運送約款の決まり、安全の取り組み、採用ページ、傭車の募集、見本を見るときの見方まで解説します。

荷主とドライバーは何を見ている?運送会社のホームページに載せる内容を解説

「荷主の紹介で仕事は回っているけれど、ホームページは何年も前に作ったまま止まっている」

「ドライバーを募集したいが、求人サイトのほかに、ホームページで何を見せればいいのか分からない」

運送会社を営んでいると、ホームページについてこうした悩みが出てくることがあります。

先に結論をお伝えします。

運送会社のホームページは、荷主、ドライバーの求職者、協力会社が、それぞれ別のことを確かめに来る場所です。

荷主は運べる荷物や車両を、求職者は仕事の中身や働き方を、協力会社は取引の条件を見ています。

そのため、見本のサイトを探す前に、誰に何を伝えるのかを決めておくと、載せる内容に迷わなくなります。

この記事では、運送会社のホームページに載せる内容を、見に来る人ごとに分けて整理しました。

許可や運送約款、安全の取り組みのように、運送業ならではの決まりに関わる点もあわせてお伝えします。

ホームページそのものが必要かどうかで迷っている場合は、ホームページの必要性もあわせてご覧ください。

この記事で分かること

  1. 運送会社のホームページの役割
  2. 荷主が確かめる5つの情報
  3. 許可と運送約款の載せ方
  4. 安全と品質の伝え方
  5. ドライバーの採用ページ
  6. 協力会社・傭車の募集
  7. 見本を見るときの見方
  8. よくある失敗

運送会社のホームページは、3つの立場の人が確かめに来る場所

まずは、運送会社のホームページを誰が、何のために見るのかを整理しておきましょう。

見に来る人ごとに確かめたいことが分かると、ページの分け方と載せる順番が決まります。

荷主・求職者・協力会社で、確かめたいことが違う

運送会社のホームページを見に来る人は、大きく分けて下記の3つの立場です。

  • 新しい運送会社や物流会社を探している、荷主の担当者
  • ドライバーや倉庫の仕事を探している求職者
  • 仕事を受けたいと考えている、協力会社や個人の事業者

荷主は自社の荷物を任せられるかを、求職者はここで働けそうかを確かめています。

協力会社が見ているのは、手持ちの車と動ける範囲で、受けられる仕事があるかどうかです。

3者は同じトップページから入ってきても、読みたいページがまったく違います。

そのため、トップページの早い位置に、荷主向けの情報、採用、協力会社の募集の入口を分けて置いておきましょう。

営業や紹介で知った荷主も、ホームページで確かめる

運送の仕事は、営業の訪問や、取引先からの紹介で始まることもあります。

けれども、荷主の担当者は、取引先を社内で決める前に、会社名で検索して中身を確かめることがあります。

このときにホームページが見つからなかったり、車両や対応エリアが分からなかったりすると、比べる候補から外れてしまいかねません。

例えば、担当者が上司に候補の会社を説明するとき、ホームページの会社概要や車両の一覧を資料に使うこともあります。

そのため、営業で渡す資料と同じ内容を、ホームページでもいつでも見られるようにしておくと、担当者が社内で説明しやすくなります。

運送業では、採用ページの役割が大きい

トラックが何台あっても、運転する人がいなければ荷物は運べません。

そのため、運送会社では、ドライバーを確保できるかどうかが、受けられる仕事の量にそのままつながるのです。

加えて、厚生労働省の案内によると、自動車運転者の時間外労働の上限は、2024年4月から新しい基準になりました。

臨時的な特別の事情がある場合でも、上限は年960時間とされています。

1人が働ける時間に上限があるので、これまでと同じ量を運ぶには、人を増やすか運び方を見直す場面も出てくるでしょう。

採用ページは、求人サイトを見た人が、応募の前に会社の様子を確かめる場所でもあります。

求人サイトの限られた欄では伝えきれない、運ぶ荷物や1日の流れを、ホームページで詳しく見せておきましょう。


荷主が確かめる、運送会社のホームページに載せる5つの情報

続いて、荷主の担当者が運送会社を比べるときに確かめる情報をお伝えします。

下記の5つが揃っていると、荷主は問い合わせる前に、自社の荷物を任せられそうかを判断できます。

1. 運べる荷物と、受けられない荷物

荷主が最初に確かめるのは、自社の荷物を運んでもらえるかどうかです。

例えば、食品や建材のように、日頃よく運んでいる荷物の種類を書いておきましょう。

冷蔵や冷凍の荷物を運べるなら、温度帯ごとに分けて書いておくと、食品を扱う荷主にも伝わります。

あわせて、受けられない荷物や、条件つきで受ける荷物も書いておくのがおすすめです。

受けられないことが先に分かれば、荷主は合わない問い合わせをせずに済みます。

2. 車両の種類と台数

荷主は、荷物の量や形に合う車があるかを、車両の一覧で確かめます。

車の大きさ、荷台の形、台数を、一覧の形でまとめておくと便利です。

例えば「4トン車・ウイング・5台」のように並べると、荷主は自社の荷物に合う車を探しやすくなります。

パワーゲートのように、積み降ろしに関わる装備も書いておくと、荷役の段取りまで想像してもらえます。

車両の写真は、外から見た全体だけでなく、荷台の中の様子も載せておくのがおすすめです。

3. 対応エリアと便の形

どこからどこまで運べるのかは、荷主が候補を絞るときの条件の1つです。

営業所の場所と、よく走るエリアや路線の目安を書いておきましょう。

加えて、決まった曜日や時間に走る「定期便」なのか、その都度頼める「スポット便」なのかも分けて書いておきます。

例えば、近場の配送が中心か、長距離も走るのかが分かると、荷主は自社の出荷に合うかを判断できます。

急ぎの依頼や、土日・夜間の運行に対応できるなら、それも忘れずに書いておきましょう。

4. 倉庫と保管・作業の範囲

倉庫を持つ物流会社なら、運ぶことに加えて、保管や倉庫の中の作業も、荷主が確かめたい点です。

保管できる荷物の種類と温度、入庫と出庫を受けられる時間も、荷主が出荷の段取りを考える材料になります。

倉庫の中で引き受けられる作業があるなら、下記のように並べて書いておくのがおすすめです。

  • 入庫のときの検品
  • ラベル貼りや梱包
  • 在庫の管理と、出荷の指示の受け方

保管から配送までをまとめて任せられると分かれば、荷主は取引先を1社にまとめることも考えやすくなります。

倉庫業の登録に関わる決まりは、次の章でふれます。

5. 見積もりに必要な情報と、問い合わせの方法

荷主が見積もりを頼むときに、何を伝えればいいのかが分からないと、問い合わせの前で手が止まってしまいます。

そのため、見積もりに必要な情報を、下記のように先に示しておくのがおすすめです。

  • 荷物の種類と、重さや量
  • 積む場所と降ろす場所
  • 運ぶ頻度と、希望する日時
  • 積み降ろしの作業があるかどうか

これらを問い合わせフォームの項目にしておけば、最初の返事で費用の目安を伝えやすくなり、やりとりの往復が減ります。

フォームを置いたら、実際に送ってみて、メールが届くかも確かめておきましょう。

問い合わせフォームに見積もりの項目がないと、荷主は何を伝えればいいのか分からず何度もやりとりすることになるのに対し、項目があれば必要な情報がそろって届き、最初の返事で費用の目安を伝えやすくなることを示す図

運送業のホームページに載せる、許可と運送約款

次に、運送業ならではの、許可と運送約款の載せ方を整理します。

法律で決まっていることと、荷主のために書いておくとよいことを分けて見ていきましょう。

一般貨物の許可か、軽貨物の届出か

荷主は、取引を始める前に、相手が運送の事業として認められているかを確かめたいところです。

貨物自動車運送事業法では、「一般貨物自動車運送事業」を始めるには、国土交通大臣の許可が要るとされています。

近畿運輸局の案内での説明は、「普通トラックを使用して、荷主の荷物を運送する事業」です。

一方で、三輪以上の軽自動車や二輪の自動車を使う「貨物軽自動車運送事業」は、許可ではなく届出とされています。

そのため、会社概要には、どちらの事業として許可や届出をしているのかを書いておきましょう。

両方の事業をしている場合は、それぞれ書き分けておくと、荷主は頼める仕事の範囲を取り違えずに済みます。

運送約款と運賃は、ウェブサイトへの掲載が求められる場合がある

運送約款などを営業所に掲示することは、一般貨物自動車運送事業者に求められている決まりの1つです。

あわせて、同じ事項を、インターネットで誰でも見られるようにすることも求められています。

施行規則では、その方法は事業者のウェブサイトへの掲載とされています。

載せる事項として定められているのは、下記の5つです。

  • 運賃と料金(個人を対象とするものに限る)
  • 運送約款
  • 運行系統
  • 許可に事業の範囲の限定が付いている場合は、その限定
  • 条件によって業務の範囲が限られている場合は、その業務の範囲

ただし、ウェブサイトに載せなくてよい場合も決められています。

「常時使用する従業員の数」が20人以下の場合と、「自ら管理するウェブサイト」を持っていない場合です。

国土交通省の事務連絡によると、ウェブサイトへの掲載は、2024年4月1日から原則として求められているとされています。

同じ事務連絡では、20人以下の事業者も、自社のウェブサイトを持っている場合は掲載が推奨されているとしています。

そのため、ホームページを作るときや作り直すときは、運送約款と運賃のページを置く場所を、最初から決めておきましょう。

自社が当てはまるかどうかや、何をどこまで載せるかは、運輸支局に確かめておくと安心です。

倉庫業の登録を受けている場合も、同じような決まりがある

倉庫業法では、倉庫業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならないとされています。

ここでいう倉庫業は、「寄託を受けた物品」を倉庫で保管する営業のことです。

登録を受けた倉庫業者も、倉庫寄託約款や倉庫の種類などを営業所に掲示し、ウェブサイトに載せることとされています。

こちらも、倉庫業に常時使用する従業員の数が20人以下の場合と、自ら管理するウェブサイトを持っていない場合は除かれています。

冷蔵倉庫なら、冷蔵室ごとの保管温度も掲示の事項に入っているので、保管の説明に書く温度とそろえておきましょう。


荷主が確かめる、運送会社の安全と品質の取り組み

続いて、荷主が取引先を選ぶときに気にする、安全と品質の取り組みの伝え方をお伝えします。

運送の事故や遅れは、荷主の出荷や取引先との約束にも響くため、取り組みが見える会社のほうが任せやすいものです。

安全情報の公表は、ホームページも方法の1つ

一般貨物自動車運送事業者に求められているのが、「輸送の安全に関わる情報」の公表です。

貨物自動車運送事業輸送安全規則では、毎事業年度が終わってから100日以内に公表することとされています。

近畿運輸局の案内で、どの事業者も公表する事項として挙げられているのは、下記の3つです。

  • 輸送の安全に関する基本的な方針
  • 輸送の安全に関する目標と、その達成状況
  • 事故に関する統計

公表の方法は、「インターネットの利用その他の適切な方法」と定められています。

近畿運輸局の案内では、方法の例として、自社ホームページへの掲載や、営業所などでの掲示が挙げられています。

ホームページで公表するなら、荷主が見つけやすい会社概要の近くに置き、毎年の更新を忘れないようにしましょう。

方針や目標の文は、荷主にとって、その会社が安全をどう考えているかを知る手がかりにもなります。

なお、近畿運輸局の案内では、貨物軽自動車運送事業者はこの公表の対象から除かれています。

Gマークは、認定を受けた事業所と有効期限を書く

Gマークは、全日本トラック協会が実施している、「安全性優良事業所」の認定制度です。

交通安全対策などへの取り組みを事業所単位で評価し、一定の基準をクリアした事業所を認定するとされています。

利用者が、より安全性の高い事業者を選びやすくするための制度とも説明されています。

認定は事業所ごとなので、営業所が複数あるなら、どの営業所が認定を受けているのかを書いておきましょう。

全日本トラック協会の案内では、ロゴやステッカーを使うときは、有効期限を明示することが必要とされています。

ロゴの使い方には決まりがあるので、ホームページに載せる前に、全日本トラック協会の案内を確かめておくと安心です。

また、全日本トラック協会の認定事業所の一覧では、申し込めば「主な輸送品目の掲載」や「ホームページへのリンク」を希望できるとされています。

荷主が一覧から探して見に来ることもあるので、認定を受けた営業所のページも整えておくと安心です。

認定を受けていない場合は、マークを使ったり、受けているように見える書き方をしたりしないように気をつけてください。

事故や遅れが起きたときの対応を書く

荷主が気にするのは、事故が起きないことだけではありません。

万一、事故や遅れが起きたときに、誰がどのように連絡をくれるのかも確かめたいところです。

例えば、運行を管理する体制や、荷物の事故に備えて加入している保険の種類が、その手がかりになります。

万一のときの流れが分かると、荷主は社内で取引を決めるときにも説明しやすくなります。

ドライバーへの安全教育や車両の点検も、実際の頻度ややり方が分かるように書いておくのがおすすめです。

取り組みの名前だけを並べるより、何をどれくらいの間隔でしているのかが分かるほうが、荷主は比べやすくなります。


ドライバーの求職者が確かめる、運送会社の採用ページ

ここからは、運送会社のホームページの中でも役割の大きい、ドライバーの採用ページの書き方をお伝えします。

求人サイトや求人票を見て興味を持った人が、応募の前に確かめに来ることを考えて、求人の欄に書ききれない中身を補っておきましょう。

運ぶ荷物と、1日の流れを書く

ドライバーの仕事は、運ぶ荷物や走る距離によって、中身が大きく変わります。

例えば、近場のルート配送と長距離の運行では、帰宅できる時間も、体の使い方も違います。

そのため、運ぶ荷物の種類と、出社から退社までの流れを、下記のように順に書いておくのがおすすめです。

  • 出社と点呼
  • 積み込み
  • 運行と荷降ろし
  • 帰庫と点呼

順番が分かると、求職者は自分の生活に合う働き方かを考えやすくなります。

手積みや手降ろしがあるのか、フォークリフトやかご台車を使うのかも書いておくと、体力の面で不安な人も判断できます。

乗る車両と、必要な運転免許を書く

求職者は、どの大きさの車に乗るのかと、今の免許で乗れるのかを確かめています。

乗る車両の大きさと形、オートマチック車かマニュアル車かを書いておきましょう。

そのうえで、仕事ごとに必要な運転免許の種類を書いておくと、応募できるかどうかを自分で判断してもらえます。

入社した後に、会社の費用で免許を取れる制度があるなら、それも忘れずに載せてください。

乗る車を今の運転免許で運転できる求職者は、乗る車の大きさと必要な免許が書いてあれば応募できると自分で判断でき、運転できない求職者に向けては、入社した後に会社の費用で免許を取れる制度があるなら載せておくことを示す図

給与の考え方を、手当の内訳まで書く

ドライバーの給与は、基本給に加えて、手当や歩合、残業代などで組み立てられていることがあります。

総額だけが書いてあると、求職者は、どの働き方をすると、いくらになるのかが分かりません。

そのため、基本給と、どんな手当がどんな条件で付くのかを分けて書いておきましょう。

例えば、長距離の運行の手当や無事故の手当のように、条件のはっきりした手当は、働く姿を想像するきっかけになります。

モデルの月収を載せるときは、どの車に乗り、どのくらい働いた場合の額なのかを添え、実際の支給の例から外れない額にしておきましょう。

休みと労働時間は、今の決まりに沿った働き方を書く

休みの取り方と、1日の拘束時間の目安は、ドライバーの仕事を選ぶときに気になるところです。

最初の章でふれた時間外労働の上限に加えて、トラック運転者の「改善基準告示」も見直されています。

厚生労働省の案内によると、改善基準告示は、「拘束時間」の上限や「休息期間」などの基準を設けたものです。

見直し後の基準は、2024年4月1日から施行されています。

そのため、採用ページの休みや労働時間の文が、決まりが変わる前の働き方のまま残っていないかを見直しておきましょう。

週の休みの日数や、夜の運行があるかどうかを、今の運行の組み方に合わせて書いておくと、入社後の食い違いを防げます。

未経験の人の受け入れ方を書く

ドライバーの経験がない人は、誰が、どのくらいの間、教えてくれるのかを気にしています。

例えば、先輩の車に同乗して覚える期間があるのか、最初は近場の配送から始めるのかが分かると、応募の前の不安が軽くなります。

倉庫の作業から始めて、あとからドライバーになる道があるなら、それも選べる働き方として書いておくのがおすすめです。

入社した人の前の仕事や年齢を例に挙げるときは、本人の了承を得てから載せるようにしましょう。

募集の情報は、正確で新しい内容に保つ

労働者の募集の情報を広告などで出すときに守る決まりを定めているのが、職業安定法です。

「虚偽の表示」や「誤解を生じさせる表示」をしてはならず、「正確かつ最新の内容」に保たなければならないとされています。

施行規則では、ここでいう広告などの方法に、電気通信回線を使う方法も挙げられています。

そのため、求人サイトだけでなく、自社のホームページの採用ページも、見直す対象に入れておきましょう。

例えば、求人サイトの給与を直したのに、ホームページの給与が前のまま、という食い違いは起きやすいものです。

募集を締め切ったら採用ページの表示も変え、条件を変えたらその日のうちに直す、と社内で決めておくと安心です。


運送会社のホームページに載せる、協力会社・傭車の募集

続いて、仕事を一緒に受けてくれる協力会社を、ホームページで募集するときの書き方をお伝えします。

自社の車だけでは運びきれない仕事を、ほかの運送会社や個人の事業者に頼むことを、業界では「傭車」と呼ぶこともあります。

頼める先があるかどうかは、受けられる仕事の量を左右するものです。

求める車両・エリア・仕事の形を書く

協力会社の募集ページを見るのは、少ない台数で営む運送会社や、軽貨物の個人の事業者などです。

申し込む側がまず知りたいのは、手持ちの車で受けられる仕事なのかどうかです。

そのため、募集のページには、下記の5つを並べておきましょう。

  • 求める車両の大きさと形
  • 一般貨物の許可か、軽貨物の届出か
  • 積む場所と降ろす場所の多いエリア
  • 定期便か、スポット便か
  • 運ぶ荷物の種類

例えば、平日の朝に関西の中で動ける軽貨物の車を探しているなら、そう書いておくだけで、当てはまる人が手を挙げやすくなります。

取引の条件と、始めるまでの流れを書く

協力会社が取引を決める前に気にするのは、運賃の決め方と支払いの時期です。

1件ごとに運賃を決めるのか、月ごとの契約なのか、締め日と支払日がいつなのかが分かると、申し込む側は収入の見通しを立てられます。

あわせて、許可書や届出の写し、自動車の保険の加入状況など、取引の前に確かめさせてもらう書類も挙げておくと、やりとりが早く進みます。

問い合わせのあと、面談や試しの運行を経てから取引が始まるのであれば、その順番も書いておくと親切です。

どこまで進めば仕事を受けられるのかが分かると、申し込む側は予定を立てて最初の連絡をくれます。


運送会社のホームページの見本を見るときに確かめること

ホームページを作る前に、同業の会社のサイトや、デザインの参考になるサイトを見て回ることもあるでしょう。

そのときは、見た目の好みだけで選ばず、下記の3つの点を見ておくと、自社のホームページに生かせます。

入口の分け方を見る

見本のサイトを開いたら、トップページから、荷主向けの情報、採用、協力会社の募集へ、それぞれたどり着けるかを見てみましょう。

例えば、採用の入口がページの一番下にしかないサイトは、求職者にとっては探しにくい作りです。

見本から取り入れたいのは、色や写真の雰囲気よりも、見に来る人ごとに入口を分けている組み立て方です。

トップページで採用の入口が一番下にしかないと求職者には探しにくいのに対し、荷主向けの情報、採用、協力会社の募集の入口を分けて早い位置に置くと、それぞれが自分の入口にたどり着けることを示す図

車両と荷物の写真の見せ方を見る

運送会社のサイトでは、トラックの写真がよく使われています。

見本を見るときは、写真の見栄えよりも、車の大きさや荷台の形が、写真と文で分かるようになっているかを確かめましょう。

自社で荷物を写すときは、荷主の社名やロゴ、伝票の宛名が写り込まないように気をつけてください。

荷物が写る写真を載せる前には、荷主の了承を得ておきましょう。

採用ページの中身の量を見る

見本の採用ページを見るときは、写真の雰囲気よりも、仕事の中身がどこまで書かれているかを見てみましょう。

1日の流れや乗る車、手当の内訳まで書かれているサイトは、求職者が応募の前に知りたいことに答えています。

自社の採用ページと並べて、足りない項目を書き出しておくと、作り直すときの原稿の準備にもなります。


運送会社のホームページでよくある失敗

ここでは、運送会社のホームページでよくある失敗をまとめます。

どれも、忙しい時期ほど後回しになりやすいものなので、今のホームページを開いて1つずつ確かめてみてください。

車両の写真はあるのに、運べる荷物が書いていない

トラックの写真は並んでいるのに、何を運べる会社なのかが書いていないケースです。

荷主は自社の荷物に合うかが分からず、ほかの会社と比べる前に、候補から外してしまいかねません。

例えば、冷凍車を持っていても、冷凍の荷物を運べることが文で書いていなければ、食品の荷主には伝わりません。

日頃よく運んでいる荷物の種類と、温度帯や重さの目安だけでも書いておきましょう。

車両の紹介が冷凍車の写真だけだと、荷主は自社の荷物に合うかが分からず候補から外してしまいかねないのに対し、運べる荷物と温度帯を文で書いておくと、冷凍の荷物を出す荷主にも伝わることを示す図

採用ページと求人サイトで、条件が食い違っている

ホームページの採用ページと求人サイトで、給与や休みの書き方が違っているケースです。

どちらが正しいのか分からないと、求職者は応募をためらい、面接でも同じ説明を繰り返すことになります。

条件を変えたときに直すページを一覧にしておき、同じ日にすべて直すようにしましょう。

安全情報の公表やGマークの表示が、去年のまま

安全情報の公表のページや、Gマークの有効期限の表示が、前の年のまま止まっているケースです。

荷主から見ると、今も取り組みが続いているのかが分からなくなります。

公表の時期とGマークの更新の時期を社内の予定に入れておき、そのたびにホームページも直してください。

見積もりに何を伝えればいいのかが分からない

問い合わせフォームが名前と自由記入の欄だけで、何を書けば見積もりがもらえるのかが分からないケースです。

荷主は何度もやりとりすることを面倒に感じ、問い合わせを後回しにしてしまいかねません。

見積もりに必要な項目を、フォームの入力欄として用意しておきましょう。


よくある質問

ここでは、運送会社のホームページについて、よくある質問にお答えします。

運送約款の載せ方や、軽貨物の個人事業での考え方など、迷いやすい点をまとめました。

Q. 従業員が20人以下でも、運送約款をホームページに載せたほうがいいですか。

自社のホームページがあるなら、載せておくのがおすすめです。

施行規則では、常時使用する従業員の数が20人以下の場合は、ウェブサイトへの掲載が求められていません。

けれども、国土交通省の事務連絡では、20人以下の事業者も、自社のウェブサイトを持っている場合は掲載が推奨されているとしています。

運送約款が見られると、荷主は取引の条件を前もって確かめられます。

Q. 軽貨物の個人事業でも、ホームページは要りますか。

荷主に確かめてもらう場所として、用意しておくのがおすすめです。

個人で営んでいると、荷主からは、どんな人がどんな車で運んでくれるのかが見えにくいものです。

車の写真と運べる荷物、動ける時間とエリアの目安を1ページにまとめておくだけでも、仕事を頼むときの判断の材料になります。

Q. 求人サイトに出していれば、採用ページは要りませんか。

求人サイトとは役割が違うので、両方あるのがおすすめです。

求人サイトは、仕事を探している人に見つけてもらう場所です。

採用ページは、見つけてくれた人に、運ぶ荷物や1日の流れ、乗る車を詳しく伝える場所として使いましょう。

Q. Gマークの認定を受けていない会社は、安全について何を書けばいいですか。

実際にしている安全の取り組みを、具体的に書きましょう。

例えば、ドライバーへの教育や車両の点検を、どのくらいの間隔でしているのかを書く形です。

認定を受けていないのに、認定を受けているように見える書き方をしないことにも気をつけてください。

Q. ドライバーの写真や声を、採用ページに載せてもいいですか。

本人の了承を得たうえで載せるのがおすすめです。

一緒に働く人の顔や言葉が見えると、求職者は職場の雰囲気を想像しやすくなります。

辞めた人の写真や声が残らないように、載せている人の一覧を作っておき、入れ替わりのたびに見直しましょう。


まとめ:運送会社のホームページは、見に来る人ごとに確かめたいことを分けて載せる

最後に、この記事の要点を整理します。

運送会社のホームページは、荷主、ドライバーの求職者、協力会社が、それぞれ別のことを確かめに来る場所です。

そのため、まずは荷主に向けて、下記の5つを揃えることから始めましょう。

  1. 運べる荷物と、受けられない荷物
  2. 車両の種類と台数
  3. 対応エリアと便の形
  4. 倉庫と保管・作業の範囲
  5. 見積もりに必要な情報と、問い合わせの方法

そのうえで、採用ページには、運ぶ荷物と1日の流れ、乗る車、給与の内訳、休みと労働時間を、今の働き方のまま書いておきましょう。

許可と運送約款、安全情報の公表のように決まりに関わる点は、運輸支局の案内とあわせて確かめておくと安心です。

今のホームページを開いて、足りないところを確かめようとしていること自体が、取引と採用を増やすための確かな一歩です。

最後にひとつだけ。

車両の一覧と採用の条件は、変わったらその日のうちに直してください。

いつ見ても今の情報が載っていることが、荷主と求職者の両方にとっての安心材料になります。

制作会社を選ぶときの見方はWeb制作会社の選び方に、作り直すときの進め方はホームページリニューアル完全ガイドにまとめています。

費用の考え方は、大阪でのホームページ制作もあわせてご覧ください。

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