写真だけで終わらせない!工務店の施工事例の書き方を解説

工務店・リフォーム会社のホームページの施工事例を、相談につながる形で書く方法を整理しました。相談する前の人が確かめていること、1件に載せる8つの項目、費用と工期の書き方、写真の撮り方、写り込みと位置情報、お客様の了承の取り方、更新の続け方まで解説します。

写真だけで終わらせない!工務店の施工事例の書き方を解説

「施工事例を載せたほうがいいと聞いて写真を並べてみたけれど、相談が増えた実感がない」

「費用やお客様の家の写真を、どこまで載せていいのかが分からない」

ホームページを自分たちで更新している工務店やリフォーム会社では、施工事例がこうした状態で止まってしまうことがあります。

先に結論をお伝えします。

施工事例は、相談する前の人が、自分の家に近い工事を、いくらで、どれくらいの期間で、誰がしてくれるのかを確かめるページです。

そのため、きれいな写真を増やすよりも、1件ごとに同じ項目を同じ順番で書いておくほうが、相談のきっかけになります。

あわせて、お客様の家を公開するページなので、写真に写り込むものと、了承の取り方も決めておきましょう。

この記事では、施工事例の1件ごとの書き方と、写真・費用・お客様の了承の扱い、更新の続け方を整理しました。

ホームページ全体に載せる情報は工務店のホームページ集客にまとめていますので、あわせてご覧ください。

この記事で分かること

  1. 相談する前の人が確かめる4つのこと
  2. 1件に載せる8つの項目
  3. 費用と工期の書き方
  4. 写真の撮り方と見せ方
  5. 写り込みと位置情報の確かめ方
  6. お客様の了承の取り方
  7. 事例の分け方と一覧の作り方
  8. 更新を続ける流れ
  9. よくある失敗

工務店の施工事例は、相談する前の人が4つのことを確かめるページ

まずは、相談する前の人が、施工事例で何を確かめているのかを整理しておきましょう。

確かめていることが分かると、1件の事例に何を書けばいいのかが決まります。

自分の家に近い事例があるか

施工事例を開いた人が最初に探すのは、自分の家と条件が近い事例です。

建物の種類や築年数、工事をした場所が近ければ、自分の家でも同じ工事ができそうだと考えられます。

反対に、写真がきれいでも、どんな家のどんな工事なのかが分からなければ、自分の場合に置き換えられません。

そのため、事例には、仕上がりの写真よりも先に、建物の条件を書いておきましょう。

いくらくらいかかるのか

次に確かめられるのは、費用です。

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会は、2025年に、リフォームを検討している1,167人を対象に、インターネットで「住宅リフォームに関する検討者実態調査」を行いました。

この調査では、リフォームをするにあたって不安な点として、「費用がかかる」を挙げた人が40.3%で最も高い割合でした。

「見積もりの相場や適正価格がわからない」を挙げた人も、27.6%います。

近い条件の事例に費用が書いてあれば、相談する前に予算の見当をつけられます。

どれくらいの期間がかかるのか

工事の期間も、相談する前に知りたいことの1つです。

リフォームでは、工事のあいだ台所やお風呂が使えるのか、仮住まいが要るのかによって、暮らしへの影響が変わります。

例えば、同じ浴室の工事でも、何日お風呂が使えなかったのかが書いてあれば、家族の予定を考えられます。

どんな人が担当するのか

最後に確かめられるのは、誰が担当するのかです。

同じ協議会は、過去3年以内にリフォームをした人にも調査を行い、事業者を選ぶときに重視した点を聞いています。

結果は、「担当者の対応・人柄」が44.0%で最も高く、「工事の質・技術」が36.2%で続きました。

そのため、事例には、担当した人の名前とひとことを添えておくのがおすすめです。

どんな考えで提案したのかが読めると、相談する前に人柄を想像してもらえます。


工務店の施工事例の1件に載せる8つの項目

続いて、施工事例の1件に載せる項目をお伝えします。

事例ごとに同じ項目を同じ順番で書くという考え方は、冒頭で紹介した工務店のホームページ集客の記事で触れたとおりです。

ここでは、その項目を8つに分けて、書き方の例とあわせて見ていきましょう。

下記の表に、8つの項目と、それぞれが相談する前の人のどの疑問に答えるのかをまとめました。

項目書くこと答える疑問
1. タイトル地域、建物、工事の内容自分の家に近いか
2. 建物の条件建物の種類、構造、築年数自分の家に近いか
3. 家族構成と要望誰が住んでいて、何に困っていたか自分の家に近いか
4. 工事の内容工事をした場所、提案とその理由どんな人が担当するか
5. 費用金額の幅、含まれるものいくらくらいか
6. 工期工事の日数、暮らしへの影響どれくらいの期間か
7. 担当者のひとこと提案で考えたこと、現場で気をつけたことどんな人が担当するか
8. 施主の声工事のあとの感想どんな人が担当するか

この順番をひな形として決めておくと、事例を足すたびに何を書くかで迷わずに済みます。

費用と工期は次の章に回し、ここでは残りの項目の書き方を順にお伝えします。

タイトルは、地域と建物と工事の内容で付ける

事例のタイトルが、「T様邸」や「施工事例12」だけになっていることがあります。

けれども、この付け方では、一覧を見た人が、自分に近い事例かどうかを判断できません。

そこで、タイトルには、地域、建物、工事の内容の3つを入れておきましょう。

例えば、「◯◯市・築25年の戸建て・浴室と洗面所のリフォーム」のような付け方です。

こうしておくと、一覧に並んだときに、タイトルだけで中身が伝わります。

建物の条件と家族の要望を、写真より先に書く

建物の条件には、建物の種類、構造、築年数を書きます。

「築25年・木造2階建て」のように短くまとめておくと、読む人は自分の家と比べやすいものです。

家族構成と要望は、誰が住んでいて、何に困っていたのかを、2〜3文程度で書いておきましょう。

例えば、「70代のご夫婦のお住まいで、冬の浴室が寒く、浴槽のまたぎが高いことにも不安があった」という書き方です。

同じ悩みを持つ人が読むと、自分の家の話として受け取ってもらえます。

ただ、家族構成は、お客様によっては知られたくない情報です。

年代や人数をどこまで書くのかは、あとの章でお伝えする了承の中で確かめます。

工事の内容は、提案の理由とあわせて書く

工事の内容が、設備の商品名や品番の一覧だけになっている事例があります。

相談する前の人が知りたいのは、商品の名前よりも、なぜその工事を選んだのかという理由です。

そのため、工事の内容は、要望、提案、理由の順に書いておきましょう。

例えば、「寒さを減らすために、浴室の入れ替えとあわせて、内窓の取り付けと床の断熱を提案した」という書き方です。

専門の言葉を使うときは、何のための工事なのかを一言添えておくと、初めての人にも伝わります。

施工事例の工事の内容が商品名と品番だけだと、相談する前の人は自分の悩みが解決するのかを読み取れず、工事を選んだ理由が伝わらないので、要望、提案、理由の順に書いておくことを示す図

担当者のひとことと、施主の声を添える

担当者のひとことには、提案で考えたことや、現場で気をつけたことを、担当した人の名前とあわせて載せます。

長い文章でなくても、2〜3文程度あれば、どんな人が来るのかが伝わります。

施主の声は、引き渡しのあとにいただいた感想を、了承を得たうえで載せましょう。

このとき、いただいた言葉は、意味が変わるような書き換えをしないでください。

良かった点だけでなく、工事中に不便だったことも書いてあるほうが、読む人は本当の感想として受け取りやすくなります。

Googleマップに書き込まれる口コミは、ホームページに載せる施主の声とは別に集まっていくものです。

口コミへの返信のしかたは、口コミへの対応にまとめています。

事例の最後に、相談の入口を置く

事例を読み終えた人は、自分の家の場合はどうなるのかを知りたくなっています。

ところが、事例の最後に何もないと、次にどうすればいいのかが分からず、ページを閉じてしまいかねません。

そこで、事例の最後に、相談や見積もりの入口へのリンクを置いておきましょう。

リンクの言葉は、「この事例に近い工事のご相談はこちら」のように、読んだ事例とつながるものにするのがおすすめです。

費用の目安をまとめたページがあれば、そこへのリンクも並べておくと、ほかの工事の費用も確かめてもらえます。


施工事例の費用と工期の書き方

次に、施工事例の中でも書きにくい、費用と工期の書き方をお伝えします。

金額を幅で書くことと、見積もりに含まれるものを書くことは、工務店のホームページ集客の費用の章で紹介しました。

ここでは、1件の事例に費用を載せるときに迷いやすい点に絞ります。

費用は、実際の金額をもとに幅で書く

事例の費用は、実際にいただいた金額をもとに書きます。

ただ、細かい金額まで載せる必要はなく、「◯◯万円〜◯◯万円」や「◯◯万円台」のように、幅で書けば十分です。

金額をそのまま載せたくないお客様にも、幅であれば了承してもらいやすくなります。

気をつけたいのは、実際より安く見える書き方です。

消費者庁の案内によると、景品表示法では、価格などの取引条件について、実際のものよりも著しく有利だと誤認される表示が禁じられています。

故意に偽った場合だけでなく、誤って表示してしまった場合も、この表示に当たれば規制されるとのことです。

そのため、含まれていない工事があるのに総額のように見せたり、工事の一部の金額だけを全体の費用のように書いたりしないようにしましょう。

税込かどうかと、含まれるものを添える

金額の横には、税込かどうかと、何が含まれているのかを書いておきましょう。

国税庁の案内では、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合は、消費税を含めた税込の価格を表示することとされています。

事例の費用も税込でそろえて「税込」と添えておけば、費用の目安のページと見比べやすいのでおすすめです。

含まれるものは、下記の4点を書いておくと、読む人がほかの会社の見積もりと比べやすくなります。

  • 設備の本体と、取り付けの工事
  • 解体と、廃材の処分
  • 養生や足場などの仮設
  • 諸経費

加えて、補助金を使った工事では、補助金を引く前の金額なのか、引いたあとの金額なのかも分かるようにしておきましょう。

工期は、工事の日数と暮らしへの影響を書く

工期は、「約10日間」のように、工事を始めてから終わるまでの日数を書きます。

相談から引き渡しまでの全体の期間も分かる場合は、分けて書いておくと、読む人が予定を立てやすくなります。

あわせて書いておきたいのは、工事のあいだの暮らしへの影響です。

例えば、住みながら工事ができたのか、お風呂や台所が何日使えなかったのかといった点です。

工事中の過ごし方まで分かれば、相談する前の不安が1つ減ります。


施工事例の写真の撮り方と見せ方

ここからは、施工事例の写真の撮り方と、ページでの見せ方をお伝えします。

工事の前と後を同じ角度で撮ることと、工事中の写真を載せることは、冒頭で紹介した記事でも触れました。

この章では、スマートフォンで撮る場合を前提に、現場で迷わないための段取りまで見ていきましょう。

工事の前は、撮る位置を決めて記録する

工事の前の写真は、あとから撮り直せません。

そのため、現地調査や着工の日に、撮る場所と立つ位置を決めて撮っておきましょう。

完成したあとに同じ写真を撮れるよう、下記の3点をそろえておくのがおすすめです。

  • 立つ位置:部屋の入口や角など、あとで同じ場所に立てる位置
  • カメラの高さ:胸の高さなど、毎回同じにできる高さ
  • 向き:横向きにそろえる

位置と高さがそろっていると、前と後の写真を並べたときに、変わったところだけが目に入ります。

撮った位置をメモや間取り図に残しておけば、担当者が替わっても同じ写真を撮れます。

工事の前の写真は現地調査や着工の日に撮っておかないとあとから撮り直せず、途中の写真は仕上げをすると隠れる部分を仕上げの前に撮り、完成の写真は前と同じ位置から撮るので、撮った位置をメモや間取り図に残しておくことを示す図

工事の途中は、完成すると見えなくなる部分を撮る

工事の途中で撮っておきたいのは、仕上げをすると隠れてしまう部分です。

例えば、壁の中の断熱材、床下の配管、下地の補修のようすが挙げられます。

先ほど紹介した調査でも、リフォームを検討している人の29.5%が、不安な点として「施工が適正に行われるか」を挙げていました。

見えなくなる部分の写真は、この不安に事実で答える材料になります。

写真には、何をしているところなのかを一言添えておきましょう。

完成後は、明るい時間に片づけてから撮る

完成後の写真は、自然の光が入る明るい時間に撮るのがおすすめです。

撮る前に、工具や養生の材料、掃除の道具を片づけておきましょう。

写真は、部屋の全体が入る1枚と、手元やつなぎ目のような細かい部分の写真を分けて撮ります。

全体の写真で雰囲気を、細かい部分の写真で仕上げの丁寧さを伝えられます。

お客様が暮らし始めたあとに撮る場合は、次の章でお伝えする写り込みにも気をつけてください。

スマートフォンで撮るときは、撮り方をそろえる

スマートフォンでも、施工事例に使える写真は撮れます。

ただ、撮り方がそろっていないと、事例を並べたときに雑然とした印象になりがちです。

下記の4点を、撮る人どうしで決めておきましょう。

  • 撮る前にレンズを拭く
  • グリッドの線を表示して、柱や壁の線がまっすぐになるように構える
  • 広角のレンズは、部屋が実際より広く見えすぎない範囲で使う
  • 明るさや色を変える加工は、実際の仕上がりと違って見えない程度にとどめる

写真の役割は、仕上がりを正しく伝えることです。

実際と違って見える写真は、現地を見たお客様をがっかりさせてしまいます。

写真は、完成、前後の比較、途中の順に並べる

ページの中では、最初に完成の写真を1枚置きます。

読む人は、最初の1枚で、自分に関係のある事例かどうかを判断するためです。

その下に、前と後の写真を左右か上下に並べ、続けて工事の途中の写真を置いていきましょう。

写真には、「工事の前:タイル張りの浴室」のように、何の写真かが分かる説明を付けておいてください。

Googleの案内では、画像のキャプションなど、画像が載っているページの内容から、画像についての情報を読み取っていると説明されています。

あわせて、画像について説明する「代替テキスト」を、役に立つ内容で付けることも案内されています。

ホームページの管理画面に代替テキストの欄がある場合は、写真の説明をそこにも入れておくのがおすすめです。


写真の写り込みと位置情報の確かめ方

続いて、写真を載せる前に確かめておきたい、写り込みと位置情報についてお伝えします。

施工事例の写真は、お客様の家の中や外を、誰でも見られる場所に置くものです。

どちらも載せる前の短い確認で防げるので、公開の手順に入れておきましょう。

表札・車のナンバー・近隣の家が写っていないかを見る

写真には、撮るときには気づかなかったものが写り込んでいることがあります。

例えば、玄関を撮ったつもりの写真の端に、表札や車のナンバーが入っている場合です。

載せる前に、下記の6つが写っていないかを、写真を拡大して確かめてください。

  • 表札、郵便受けの名前、郵便物や宅配の伝票
  • 車やバイクのナンバー
  • 近隣の家の外観や、洗濯物
  • 人の顔や、窓や鏡に映った人
  • 家族の写真、賞状、カレンダーの書き込み
  • 電柱の住所の表示や、近くの店の看板

個人情報保護委員会のQ&Aでは、会社の行事で撮った写真についての回答の中で、本人を判別できる写真の画像は、一般的に個人情報に当たるとされています。

また、総務省のインターネットトラブル事例集には、SNSへの投稿について、写真に映り込んだものから、訪れた店や地域などの生活の範囲が推測できるため注意が必要だと書かれています。

写り込みを見つけたら、写らない角度から撮り直すか、その部分を切り取るか、ぼかしを入れてから載せましょう。

スマートフォンの写真には、位置情報が残ることがある

スマートフォンで撮った写真には、撮った場所の情報が記録されていることがあるので、注意しましょう。

Appleの案内では、カメラで位置情報サービスをオンにしていると、撮影された場所の座標が写真に埋め込まれると説明されています。

位置情報を含む写真を共有すると、共有した相手が、撮影された場所を知ることができる場合があるとも書かれています。

お客様の家で撮った写真なら、記録されているのはお客様の家の場所です。

地域を市や町の名前までにとどめていても、写真から場所が分かってしまっては意味がありません。

位置情報は、撮る前にオフにしておく

いちばん確実なのは、現場の写真を撮る前に、カメラの位置情報をオフにしておく方法です。

iPhoneでは、「設定」の「プライバシーとセキュリティ」から「位置情報サービス」、「カメラ」の順に進み、「しない」を選ぶと案内されています。

Androidのスマートフォンについても、Googleフォトのヘルプに、カメラで写真に位置情報を追加するかどうかを指定できると書かれているので、機種の設定を確かめてください。

すでに撮った写真については、iPhoneでは、写真ごとに「位置情報を調整」から「位置情報なし」を選ぶ方法が案内されています。

ただ、Googleフォトのヘルプには、カメラが自動で追加した撮影場所は、Googleフォトでは編集や削除ができないと書かれています。

あとから消せるかどうかはアプリによって違うので、撮る前にオフにしておくのが確実です。


お客様の了承の取り方

ここでは、施工事例を載せるときの了承の取り方をお伝えします。

載せる前に了承を得ることは、冒頭で紹介した記事でも触れました。

この章では、いつ、何を、どの形で確かめるのかを順に整理します。

了承は、契約のときと引き渡しのときの2回で確かめる

了承をお願いするタイミングは、契約のときと、引き渡しのときの2回がおすすめです。

契約のときには、工事の前と途中の写真を撮らせてもらうことと、事例として載せたいことを伝えます。

引き渡しのときには、実際に載せる写真と文章を見てもらい、載せてよいかをあらためて確かめましょう。

個人情報保護委員会のQ&Aでも、本人を判別できる写真について、不特定多数の人に見せるときは、自主的に本人の同意を得るなどの取り組みが望ましいとされています。

家の写真も、お客様の暮らしを公開するものなので、同じように了承を得ておくと安心です。

口頭だけでは、あとで言った言わないの行き違いになりかねないので、了承は書面やメールで残しておいてください。

載せる範囲は、項目ごとに分けて聞く

「施工事例に載せてもいいですか」とまとめて聞くと、お客様は何が載るのかを想像できません。

あとから「ここまで載るとは思わなかった」とならないよう、下記の6つに分けて聞いておきましょう。

  • 外観の写真を載せてよいか
  • 室内の写真を載せてよいか
  • 工事の前の写真を載せてよいか
  • 費用を、幅のある形で載せてよいか
  • 家族構成や年代を書いてよいか
  • チラシやSNSにも使ってよいか

項目ごとに「はい」「いいえ」を選べる用紙にしておくと、お客様は断りたい項目だけを断れます。

一部だけの了承でも事例として載せられるので、すべてがそろわなくても心配は要りません。

「施工事例に載せてもいいですか」とまとめて聞くと、お客様は何が載るのかを想像できず、あとで「ここまで載るとは思わなかった」となることがあり、項目ごとに「はい」「いいえ」を選べる用紙にすると、断りたい項目だけを断れて、一部だけの了承でも事例として載せられることを示す図

地域の書き方は、外観の写真とあわせて決める

工事をした場所は、市や町の名前までにとどめるのが基本です。

ただ、町の名前までにしていても、外観の写真とそろうと、どの家なのかが分かってしまうことがあります。

個人情報保護委員会のQ&Aでは、住所や電話番号だけの情報も、ほかの情報と容易に照合して特定の個人を識別できる場合は、あわせて個人情報に当たることがあるとされています。

そのため、戸数の少ない地域や、外観に特徴のある家では、お客様と相談して、地域の書き方を大まかにしましょう。

例えば、町の名前をやめて、市の名前だけにする形です。

あとから消してほしいと言われたときの手順を決めておく

了承をもらった事例でも、あとから取り下げてほしいと言われることがあります。

家を売ることになった、家族の事情が変わったなど、理由はさまざまです。

申し出があったら載せるのをやめることを、了承の用紙にあらかじめ書いておきましょう。

連絡を受けてから何日程度で消すのか、誰が作業するのかも決めておきます。

ホームページだけでなく、同じ写真を使ったSNSやGoogleマップの投稿も、忘れずに消してください。

チラシのように配ったあとで回収できないものは、次に刷る分から外すと伝えておくと、行き違いを防げます。


施工事例の分け方と、探しやすい一覧の作り方

続いて、事例が増えてきたときの分け方と、一覧の作り方をお伝えします。

事例がどれだけ良くても、近い事例にたどり着けなければ、読まれないまま終わってしまいます。

新築・リフォーム・部位・地域で分ける

事例の分け方は、探す人が最初に思い浮かべる言葉に合わせます。

下記の4つは、どれも、探す人が自分の条件から選べる分け方です。

  • 新築か、リフォームか
  • 工事の部位:キッチン、浴室、トイレ、外壁、屋根など
  • 建物の種類:戸建て、マンションなど
  • 地域:市や町の名前

1件の事例に、複数の分け方を付けてかまいません。

例えば、浴室と洗面所を工事した事例は、浴室の一覧にも、洗面所の一覧にも出るようにしておく形です。

件数が少ないうちは、分けすぎない

事例が少ないうちに細かく分けると、開いても1件しかない一覧や、空の一覧ができてしまいます。

最初は、新築とリフォームの2つに分けるだけで十分です。

部位や地域の分け方は、1つの分け方に事例が数件たまってから足せば間に合います。

事例がまだ少ないうちは新築とリフォームで分け、1つの分け方に事例がたまってきたら、キッチンや浴室などの部位や、市や町の名前などの地域の分け方を足すことを示す図

一覧には、写真・タイトル・費用の幅・工期を並べる

一覧のページは、事例の中身を開く前に、近い事例かどうかを見分けてもらう場所です。

そのため、写真だけを並べず、1件ごとに下記の4つを見せておきましょう。

  • 完成の写真1枚
  • タイトル
  • 費用の幅
  • 工期

一覧で費用と工期が見えていると、予算や期間の近い事例から順に読んでもらえます。


施工事例の更新を続ける流れ

ここでは、施工事例を無理なく足し続けるための流れをお伝えします。

事例は、一度にまとめて作るよりも、引き渡しのたびに1件ずつ足すほうが続けやすくなります。

書く項目を、1枚の用紙にしておく

毎回、白紙から文章を考えていると、忙しい時期に更新が止まってしまいます。

そこで、先ほどの8つの項目を並べた用紙を1枚作り、現場ごとに埋めていく形にしましょう。

例えば、紙に印刷して現場に持っていく形でも、スマートフォンのメモでもかまいません。

工事の担当者が現場で埋められる形にしておくと、ホームページに入力する人は、写すだけで済みます。

事例の文章を毎回白紙から考えると、何を書くかで迷い、忙しい時期に更新が止まってしまうが、項目を並べた用紙を現場ごとに埋める形にすると、工事の担当者が現場で埋められ、ホームページに入力する人は写すだけで済むことを示す図

引き渡しまでの流れに、事例の作業を組み込む

事例の作業は、工事の流れの中に入れておくと、忘れにくくなります。

下記の5つの段階に分けておくのがおすすめです。

  1. 契約:写真を撮ることと、事例として載せたいことを伝える
  2. 着工の前:工事の前の写真を、位置を決めて撮る
  3. 工事の途中:見えなくなる部分を撮る
  4. 引き渡し:完成の写真を撮り、載せる内容を見てもらって了承を得る
  5. 引き渡しのあと:用紙の内容を入力して公開する

公開の時期は、「引き渡しから1か月以内」のように、目安を決めておきましょう。

時間がたつほど、工事の細かい内容や、お客様とのやりとりを思い出しにくくなるためです。

古い事例は、工事をした年を見えるようにしておく

事例が増えてくると、何年も前の事例も一覧に残ります。

古い事例そのものは、長く仕事を続けてきた証拠になるので、消す必要はありません。

ただ、費用は、材料や設備の値段によって変わっていきます。

事例ごとに工事をした年を書いておき、今の金額とは違う場合があることを添えておきましょう。

今は受けていない工事の事例は、その旨を書くか、一覧から外しておくと、問い合わせの行き違いを防げます。


工務店の施工事例でよくある失敗

ここでは、施工事例のページでよくある失敗をまとめます。

どれも次の事例から直せることなので、今の施工事例を開きながら確認してみてください。

完成の写真だけで、工事の前が分からない

仕上がった写真だけが並んでいて、元がどんな状態だったのかが分からないケースです。

読む人は、どこがどう変わったのかを比べられず、工事の値打ちを判断できません。

これからの現場では、着工の前に、位置を決めた写真を必ず撮っておきましょう。

商品名と品番だけの説明になっている

工事の内容の欄に、設備のメーカー名や品番だけが並んでいるケースです。

相談する前の人は、品番を見ても、自分の悩みが解決するのかどうかを読み取れません。

どんな要望に対して、なぜその工事を選んだのかを、2〜3文程度で書き足してください。

費用に何が含まれるのかが書いていない

金額は書いてあるのに、どこまでの工事の金額なのかが分からないケースです。

読む人が自分の見積もりと比べたときに、高い、安いの行き違いが起きてしまいます。

税込かどうかと、含まれるものを、金額の横に添えておきましょう。

すべての事例が、1つの一覧に日付の順で並んでいる

新築も小さな修繕も、同じ一覧に新しい順で並んでいるケースです。

浴室の事例を探している人は、関係のない事例を何件もめくることになり、途中であきらめてしまいます。

まずは、新築とリフォームの2つに分けるところから始めてみてください。

了承を口頭だけで済ませている

引き渡しのときに口頭で了承をもらい、記録が残っていないケースです。

担当者が替わったり、時間がたったりすると、どこまで了承をもらったのかが分からなくなります。

載せる範囲を項目ごとに確かめた用紙やメールを、事例とあわせて保管しておきましょう。


よくある質問

ここでは、施工事例の書き方についてよくいただく質問にお答えします。

費用を載せたくないと言われたときや、工事の前の写真がないときなど、迷いやすい点をまとめました。

Q. 費用を載せたくないと言われた事例は、どう書けばいいですか。

費用を外して、ほかの項目だけで載せましょう。

建物の条件、要望、工事の内容、工期が書いてあれば、近い条件の人の参考になります。

費用の見当は、費用の目安をまとめたページへのリンクで補っておくのがおすすめです。

Q. 工事の前の写真を撮り忘れました。事例として載せられますか。

載せられます。

工事の前がどんな状態だったのかを、文章でくわしく書いておきましょう。

現地調査や見積もりのときに撮った写真が残っていれば、お客様の了承を得たうえで、それを使う方法もあります。

Q. 手すりの取り付けのような小さな工事も、事例にしたほうがいいですか。

受けたい工事であれば、載せておくのがおすすめです。

小さな工事を頼みたい人は、こんな小さなことを頼んでもいいのかと迷っています。

事例があれば、受けてもらえる工事だと分かり、相談のきっかけになります。

小さな工事の事例は、写真2枚と短い文章だけでもかまいません。

Q. 施工事例の文章を、AIに下書きさせてもいいですか。

下書きに使うのはかまいません。

ただ、AIは、建物の条件や費用、工期といった事実を知りません。

用紙に書いた事実を渡して文章を整えてもらい、数字や工事の内容が合っているかを、公開の前に担当者が読み返してください。

ホームページそのものをAIで作っている場合は、AIで作ったホームページの改善策もあわせてご覧ください。

Q. Googleマップにも、施工事例の写真を載せたほうがいいですか。

載せておくのがおすすめです。

Googleマップで会社を見つけた人にも、どんな工事をしているのかが伝わります。

このときも、お客様の了承と、写り込み、位置情報の確認は、ホームページに載せるときと同じように行ってください。

設定の基本は、MEO対策とはにまとめています。


まとめ:施工事例は、同じ項目で1件ずつ積み重ねる

最後に、この記事の要点を整理します。

施工事例は、相談する前の人が、自分の家に近い工事を、いくらで、どれくらいの期間で、誰がしてくれるのかを確かめるページです。

そのため、まずは下記の8つの項目を、事例ごとに同じ順番で書くことから始めましょう。

  1. タイトル
  2. 建物の条件
  3. 家族構成と要望
  4. 工事の内容
  5. 費用
  6. 工期
  7. 担当者のひとこと
  8. 施主の声

費用は、実際の金額をもとに幅で書き、税込かどうかと含まれるものを添えます。

写真は、工事の前、途中、後を、位置を決めて撮り、載せる前に写り込みと位置情報を確かめてください。

お客様の了承は、載せる範囲を項目ごとに分けて聞き、書面やメールで残しておきます。

写真を並べるところまで進めてきたことは、これまでの仕事を見せようとした、確かな一歩です。

最後にひとつだけ。

次の引き渡しから、8つの項目を並べた用紙を1枚持って、現場に行ってみてください。

1件ずつ積み重ねた事例が、次のお客様にとっての判断の材料になります。

費用の目安の見せ方や、相談の受け方は、工務店のホームページ集客でくわしく紹介しています。

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