「紹介とチラシで仕事は来ているけれど、ホームページから問い合わせが来たことがない」
「施工事例を載せたほうがいいと聞くけれど、何をどう書けばいいのか分からない」
工務店やリフォーム会社を経営している方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
先に結論をお伝えします。
工務店のホームページは、相談する前のお客様が、ほかの会社と比べるための材料を置く場所です。
家づくりやリフォームは金額が大きく、決めるまでに時間をかける買い物です。
そのため、紹介やチラシで知った人も、相談の前にホームページを開いて、任せて大丈夫かを確かめています。
この記事では、工務店のホームページに載せたい情報と、施工事例の書き方、費用の伝え方、相談の受け方を整理しました。
ホームページそのものが必要かどうかで迷っている場合は、ホームページの必要性もあわせてご覧ください。
この記事で分かること
- 工務店のホームページの役割
- ホームページに載せたい7つの情報
- 施工事例の書き方
- 費用と相談の伝え方
- よくある失敗
工務店のホームページは、相談の前に比べられる場所
まずは、工務店にとってホームページがどんな役割を持つのかを整理しておきましょう。
お客様がいつ、何のためにホームページを見るのかが分かると、載せる情報の優先順位が決まります。
家づくりやリフォームは、決めるまでが長い
新築やリフォームは、思い立ってすぐに契約する買い物ではありません。
家族で話し合い、いくつかの会社を調べ、見学会や相談を重ねてから依頼先を決める人が多くなります。
その間、お客様は気になった会社のホームページを何度も見返しています。
そのため、一度見ただけで決めてもらう作りよりも、見返すたびに判断の材料が増える作りにしておきましょう。
紹介やチラシで知った人も、ホームページで確かめる
工務店の仕事は、紹介やチラシ、現場の看板から始まることが多い業種です。
けれども、名前を知った人がそのまま電話をかけてくるとは限りません。
多くの場合、会社名で検索して、どんな家を建てているのか、どんな人が来るのかを先に確かめます。
このときにホームページが見つからなかったり、何年も更新されていなかったりすると、相談の候補から外れてしまうおそれがあります。

大手との違いは、人と地域で伝える
ハウスメーカーや大手のリフォーム会社は、展示場や広告で広く知られています。
地域の工務店が同じ土俵で比べられると、知名度や規模では不利に見えてしまいます。
一方で、誰が打ち合わせに来て、誰が現場に入るのかまで見せられるのは、地域の工務店ならではの強みです。
例えば、代表や職人の顔、近くで手がけた施工事例、何かあったときにすぐ駆けつけられる距離を伝えておきましょう。
工務店のホームページに必要な7つの情報
続いて、工務店のホームページに載せておきたい情報をお伝えします。
下記の7つが揃っていると、お客様は相談する前に知りたいことをひととおり確かめられます。
1. 施工事例
工務店のホームページで、最もよく見られるのが施工事例です。
お客様は、自分の家と近い条件の事例を探して、仕上がりと費用の見当をつけようとしています。
写真だけを並べるのではなく、どんな工事を、どのくらいの期間と費用で行ったのかまで書いておきましょう。
詳しい書き方は、次の章でお伝えします。
2. 対応できる工事と、対応エリア
新築だけなのか、リフォームや修繕も受けているのかを、はっきり書いておきます。
水まわりの交換や外壁の塗り替えのような小さな工事も受けているなら、それも書いておいてください。
あわせて、対応できる市や町の名前も載せておきます。
エリアが書いていないと、お客様は「うちまで来てもらえるのか」が分からず、問い合わせをためらってしまいます。
3. 費用の目安
家づくりやリフォームの費用は、条件によって大きく変わります。
そのため、正確な金額を載せるのは難しい業種です。
けれども、何も書いていないと、お客様は「予算に合うのか」を判断できません。
工事の種類ごとに、よくある価格帯を目安として書いておくのがおすすめです。
4. 相談から引き渡しまでの流れ
初めて家を建てる人やリフォームをする人は、何から始めればいいのかが分かっていません。
相談、現地調査、見積もり、契約、着工、引き渡しまでの流れを、順に書いておきましょう。
それぞれの段階で、どのくらいの期間がかかるのかも添えておくと、お客様は予定を立てやすくなります。
どの時点から費用がかかるのかも書いておくと、相談しやすくなります。
5. 代表・職人・スタッフの紹介
家づくりは、担当する人との付き合いが長く続きます。
そのため、お客様は会社の規模よりも、どんな人が来るのかを気にしています。
代表のあいさつだけでなく、設計の担当者や現場に入る職人も紹介しておきましょう。
顔写真と、家づくりで心がけていることを一言添えるだけでも、相談しやすさが変わります。
6. 許可・資格・保証とアフターサービス
金額の大きな工事を任せるお客様は、会社の信用を確かめたいと考えています。
建設業の許可を受けている場合は許可番号を、建築士や施工管理技士などの資格を持つ人がいる場合はその資格を載せておきましょう。
加入している保険や、引き渡し後の保証、定期点検の内容も書いておきます。
工事が終わった後にどこまで見てもらえるのかが分かると、安心して依頼してもらえます。
7. 相談・見積もりの方法
どこから相談できるのかを、どのページからでも分かるようにしておきます。
電話、問い合わせフォーム、LINEなど、実際に対応できる方法だけを載せてください。
あわせて、相談や見積もりが無料なのか、どの段階から費用がかかるのかも書いておきます。
「相談したら契約を迫られるのではないか」という不安を、先に消しておくのがポイントです。
施工事例の書き方
ここからは、工務店のホームページで最も見られる施工事例の書き方をお伝えします。
写真の見栄えよりも、お客様が自分の家に置き換えて考えられる情報を揃えることを優先しましょう。
施工事例に入れておきたい項目
施工事例は、写真だけでは判断の材料になりません。
下記の6つの項目を、事例ごとに同じ順番で書いておくのがおすすめです。
- 工事の種類
- 場所
- 建物の条件
- 工事にかかった期間
- 費用の目安
- お客様の要望と、それに対して提案した内容
同じ項目が同じ順番で並んでいると、お客様は事例どうしを比べやすくなります。
例えば「築30年・木造2階建て・キッチンと床の張り替え・約3週間」と書いてあれば、近い条件の人は自分の工事を想像できます。

工事前と工事中の写真も載せる
完成した写真だけでは、どこがどう変わったのかが伝わりません。
リフォームの場合は、工事の前と後を同じ角度から撮った写真を並べておきましょう。
加えて、工事中の写真も載せておくのがおすすめです。
壁の中や床下のように、完成すると見えなくなる部分の仕事が伝わると、丁寧さを確かめてもらえます。
お客様の要望と提案を、文章で残す
お客様が知りたいのは、仕上がりだけではありません。
どんな悩みに対して、どんな提案をしてくれる会社なのかを見ています。
そのため、事例ごとに、お客様の要望と、それに対する提案を2〜3文で書いておきましょう。
例えば「冬の脱衣所が寒い」という悩みに、断熱と窓の交換を提案した、という書き方です。
同じ悩みを持つ人が読むと、相談するきっかけになります。
写真や住所の扱いは、お客様の了承を得る
施工事例は、お客様の家の中や外観を公開するものです。
載せる前に、写真を使ってよいか、どこまで場所を書いてよいかを必ず確認してください。
場所は市や町の名前までにとどめ、番地や表札が写った写真は載せないようにします。
了承を得た範囲で載せていることを書いておくと、これから依頼する人にも安心してもらえます。
費用の目安と見積もりの伝え方
次に、工務店のホームページで書きにくい費用について、伝え方を整理します。
金額を言い切れなくても、判断の手がかりを置いておくことはできます。
金額は幅で書く
費用は、建物の状態や選ぶ設備によって変わるため、1つの金額では書けません。
そのため、下の金額と上の金額を並べて、幅で書いておきましょう。
幅の下と上で何が違うのかも、一言添えておくのがおすすめです。
例えば、設備のグレードや、床や壁の工事を含むかどうかで金額が変わる、といった説明です。
理由が分かれば、お客様は自分の場合の金額を想像しやすくなります。

見積もりに含まれるものを書く
見積もりの金額に何が含まれているのかが分からないと、お客様はほかの会社と比べられません。
解体や廃材の処分、仮設の費用、諸経費などを含むのかどうかを書いておきましょう。
追加の費用が出やすい場面も、先に伝えておきます。
例えば、解体してみて下地の傷みが見つかった場合の扱いを書いておくと、後のもめごとを防げます。
費用の目安と、施工事例をつなげる
費用の目安を表にしただけでは、実感が湧きにくいものです。
表の近くに、その価格帯の施工事例へのリンクを置いておきましょう。
金額と仕上がりを続けて見られると、お客様は予算の中で何ができるのかを判断しやすくなります。
施工事例の側からも、費用の目安の表へ戻れるようにしておくと親切です。
相談と見積もり依頼の受け方
ここでは、ホームページを見た人が相談まで進みやすくなる受け方をお伝えします。
いきなり見積もりを頼むのは気が重い、という人のための入口も用意しておきましょう。
相談の入口を、軽いものから用意する
家づくりを考え始めたばかりの人にとって、見積もりの依頼は重い一歩です。
まだ何も決まっていない段階でも声をかけられる入口を、別に用意しておきます。
例えば、完成見学会の案内や、資料の請求、相談だけの予約などです。
段階に合わせた入口があると、検討の早い時期からお客様とつながりを持てます。

問い合わせフォームの項目を絞る
フォームの入力項目が多いと、途中でやめてしまう人が増えます。
最初の問い合わせでは、名前、連絡先、相談したい内容の3つ程度に絞っておきましょう。
建物の図面や細かい要望は、最初の連絡のあとで聞けば間に合います。
あわせて、送信後にどのくらいで返事が来るのかを書いておくと、お客様は安心して待てます。
電話は、受けられる時間を書く
現場に出ている時間が長い工務店では、電話に出られないことも少なくありません。
電話を受けられる曜日と時間を書いておき、出られなかったときは折り返す旨を添えておきましょう。
スマートフォンで見たときに、電話番号を押すだけでかけられるようにしておくことも忘れないでください。
現場の合間に確認できるよう、LINEやフォームからの連絡も受けられるようにしておくと取りこぼしが減ります。
チラシ・Googleマップ・SNSとホームページの役割分担
続いて、ほかの集客の手段とホームページの使い分けを整理します。
それぞれの役割を分けておくと、同じ情報を何度も作り直す手間が減ります。
チラシや看板は知ってもらう場所、ホームページは確かめる場所
チラシや現場の看板は、会社の名前を知ってもらうのに向いています。
けれども、紙面や看板に載せられる情報には限りがあります。
そのため、チラシには施工事例の一部だけを載せ、詳しい内容はホームページで見てもらう形にしましょう。
チラシにQRコードを載せておくと、見た人がそのままホームページへ進めます。
Googleマップは、近くで探す人の入口になる
「地域名+工務店」「地域名+リフォーム」のように検索すると、検索結果に地図と会社の一覧が表示されます。
ここに出る情報は、Googleビジネスプロフィールに登録した内容です。
営業時間や電話番号、施工事例の写真を登録しておき、ホームページへのリンクも設定しておきましょう。
設定の基本はMEO対策とはにまとめていますので、あわせてご確認ください。
SNSは現場の様子、ホームページは変わらない情報
InstagramなどのSNSは、工事中の様子や完成直後の写真を伝えるのに向いています。
一方で、投稿は時間とともに流れていくため、費用の目安や工事の流れを探すのには向いていません。
変わらない情報はホームページにまとめ、SNSからホームページへリンクしておきましょう。
SNSで紹介した現場を、ホームページの施工事例として残していくと、情報が積み上がっていきます。

工務店のホームページでよくある失敗
ここでは、工務店のホームページでよくある失敗をまとめます。
どれも忙しいと後回しになりやすいので、今のホームページを開きながら確認してみてください。
施工事例が写真だけで、内容が分からない
きれいな写真は並んでいるのに、どんな工事だったのかが書いていないケースです。
お客様は自分の家に近い事例なのかが分からず、費用の見当もつけられません。
工事の種類、期間、費用の目安の3つだけでも、事例ごとに書いておいてください。
最後の更新が何年も前になっている
お知らせや施工事例の日付が、数年前で止まっているケースです。
今も営業しているのかが分からないと、相談の候補から外されてしまいます。
新しい事例を足せないときは、古い日付のお知らせを整理するだけでも印象が変わります。
対応エリアが書いていない
どの地域まで来てくれるのかが、どこにも書いていないケースです。
お客様は問い合わせて断られるのを避けたいので、エリアが分かる会社を先に選びます。
対応できる市や町の名前を、会社案内やトップページに書いておきましょう。
費用の手がかりがどこにもない
「お見積もりは無料です」とだけ書いてあり、価格帯が分からないケースです。
予算に合うかどうかが分からないまま相談するのは、お客様にとって負担になります。
よくある工事について、幅のある目安だけでも載せておいてください。
誰が担当するのかが分からない
会社概要はあるのに、代表や担当者の顔が見えないケースです。
家づくりは人との付き合いが長いので、どんな人が来るのかが分からないと相談しにくくなります。
代表と主な担当者について、写真と一言を載せておきましょう。
よくある質問
ここでは、工務店のホームページについてよくいただく質問にお答えします。
施工事例の数や費用の載せ方など、迷いやすい点をまとめました。
Q. 施工事例は、何件くらい載せればいいですか。
件数よりも、工事の種類が偏っていないことを優先しましょう。
新築、水まわり、外まわりなど、受けたい工事ごとに数件ずつあると、お客様は自分に近い事例を見つけやすくなります。
最初から多く揃える必要はないので、工事が終わるたびに1件ずつ足していく形がおすすめです。
Q. 費用を載せると、高いと思われて問い合わせが減りませんか。
目安が分かるほうが、相談しやすくなります。
費用が分からないまま問い合わせるのは、お客様にとって不安の大きい行動です。
幅と、金額が変わる理由を書いておけば、予算の合う人から相談が来るようになります。
Q. 紹介で仕事が回っていても、ホームページは必要ですか。
紹介された人が確かめる場所として、用意しておくのがおすすめです。
紹介を受けた人も、連絡する前に会社名で検索することがあります。
そのときに施工事例や担当者の顔が見られると、紹介した人の言葉を裏づける材料になります。
Q. 施工事例の写真は、自分で撮ったものでも大丈夫ですか。
自分で撮った写真でかまいません。
明るい時間に、部屋の全体が入る位置から撮っておきましょう。
工事の前と同じ角度で撮っておくと、変化が伝わりやすくなります。
Q. ブログやお知らせは、更新したほうがいいですか。
無理のない範囲で、施工事例の追加を優先しましょう。
日々の出来事を書くブログは、続かなくなると古い日付が目立ってしまいます。
工事が終わるたびに施工事例を1件足すほうが、お客様の判断の材料になります。
Q. 住宅のポータルサイトに載せていれば、ホームページは要りませんか。
役割が違うので、両方あるのがおすすめです。
ポータルサイトは、複数の会社を比べたい人に見つけてもらう場所です。
ホームページは、見つけてくれた人に、人柄や考え方、施工事例を詳しく伝える場所として使いましょう。
まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
工務店のホームページは、相談する前のお客様が、ほかの会社と比べるための材料を置く場所です。
紹介やチラシで知った人も、相談の前にホームページを開いて確かめています。
そのため、まずは下記の7つを揃えることから始めましょう。
- 施工事例
- 対応できる工事と、対応エリア
- 費用の目安
- 相談から引き渡しまでの流れ
- 代表・職人・スタッフの紹介
- 許可・資格・保証とアフターサービス
- 相談・見積もりの方法
中でも施工事例は、写真だけで終わらせず、工事の種類、期間、費用の目安まで書いておきましょう。
費用は幅で書き、金額が変わる理由を添えておくと、相談しやすくなります。
最後にひとつだけ。
工事が終わるたびに、施工事例を1件足してください。
積み重なった事例が、次のお客様の判断の材料になります。
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